詩
□音
1ページ/1ページ
ああ今日も耳鳴りがする
例えるなら
闇夜の不気味な悪魔達のコーラス
止むことは決してないアンコール
まるで
不揃いな割れガラスが擦る音
錆び付いた鉄の関節が軋む音
まさに
恐怖で叫ぶ女の悲鳴の声
母親を求め泣く子供の声
山々を飛び交う山彦のように反芻し
潮の満ち引きのように波打っていた
少しずつ少しずつ
"そいつ"は忍び寄ってきた
振り返らず僕はがむしゃらに逃げた
暗い真っ暗な道を震えながら走った
助けがない絶望で泣きながら走った
"そいつ"に捕まらないように
世界の果てまで逃げ出した僕
怖くて怖くてその場にうずくまり
僕は神様に血を捧げて祈り続けた
神さま神さま神さま神さま
助けて助けて助けて助けて
"そいつ"が"狂気"が僕を食らう前に
アア今日モ耳鳴リガスル