ブック2

□導かれるままに1
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「クラス発表ってなんか無駄にドキドキするよな、女もいねーのに。あー洋希と同じクラスになりてーからかなー」



入学式も終わり、今は講堂で待機中。

あとちょっとしたら、講堂の外にクラス分けが
張り出されるらしい。

あの後、生徒会長はそりゃもうあっけない程簡単に祝辞を述べ、すぐに壇上を降りた。
あの潔さは本当に好感が持てた。

黄色い声をあげる奴ら(男。当たり前か)は残念そうな声をめちゃくちゃ張り上げていたが、爺さん達の長話に辟易していた俺にはとてもありがたかった。

---きっと本物のデキる男なんだな

話す声は明瞭として、去り際は堂々としていて美しく(もちろん顔も美しかった)、俺なんかでも会長の秀逸さを感じ取ることができた。

それほどまでに生徒会長、榊仁(サカキジン)は完璧な男だった。







「おい洋希!クラス張り出されたってよ。見に行こうぜ」

会長を思い出しながらぼーっとしていると、中山が肩を叩いてきた。

「おう、行くか」



歩き出す俺たちをチラチラ見てくるちっこい奴らは何なんだ?


----まさか、誰か俺の過去を知っているとか。


瞬間、酷い眩暈に襲われる。


「洋希?どした?」

中山がさりげなく心配しながら声をかけてくれる。

----馬鹿な、そんな訳ない。


俺の罪を知る人なんて、世界に一人、あの人しか知らない-----




変に周りを疑いすぎるのは俺の悪い癖だ。

軽く息をはき、冷静な表情を作る。



「ワリ、行こうぜ中山」

「お、おう」


俺の無理した笑顔に、中山は少しだけ表情を変えた。




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