ブック2
□導かれるままに1
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教室では皆テンションが上がっているのか、ワイワイガヤガヤ楽しそうな話し声がしている。
中山は持ち前の懐っこさで中等部上がりの奴らともすでに仲良くなっていた。
あいつスゲーな。
俺はとてもじゃないが、あんな簡単に人の輪に飛び込めない。
そんな風にしてボーっと教室を眺めていると、なんかホストっぽい奴が教室に入ってきた。
そいつが担任らしい。
みんな慌てて自分の席につく。
「俺は1−A担任の森本隼人(モリモトハヤト)だ。教科は生物。
あと、このクラスは中等部から持ち上がりの奴がほとんどだから、中山と内村は分かんないことあったら誰かに聞け。外部組はお前ら二人だけだから」
「「はい」」
「よし、じゃ、あとは若いもん同士で勝手に仲良くなってな。俺はもう帰るから。ちなみに引っ越し荷物は寮に搬入済みらしいからみんな頑張れー」
ホスト教師は手を振りながらホストらしくやる気なさげに出て行った。
と同時に、隣の席のちっこい奴が俺に話しかけてきた。
「君、外部生だよね。僕は佐藤 実(サトウミノル)。分からないことがあったら何でも聞いてね」
クリクリとした目が、可愛い感じだな。
「俺、内村洋希。悪ぃな、気使わせて」
「ぜ、全然!!むしろ内村君に話しかけて貰えたら嬉しいってゆーか…」
佐藤の顔は真っ赤だ。
照れてんのかな?
「佐藤って、可愛いな」
俺がつぶやくと、佐藤は、
「もう。内村君て天然タラシでしょ」
と言って照れながらもむくれていた。
天然タラシ??
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