ブック2

□導かれるままに1
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ここ凰堂(オウドウ)学園は、二人一部屋が寮の規則だ。
生徒会とか風紀委員とかは一人部屋らしいけど。

俺はもちろん一般生徒なので二人部屋。

事前に渡されていたカードキーで部屋に入る。

同室者はまだいないらしい。

少しホッとした。

どうやら向かって二つあるうちの奥側の個室が俺の部屋らしい。

金持ち校の寮は「寮」とは名ばかりでちゃんと個室もあるしミニキッチンやトイレもしっかり部屋についている。

なにより、建物が新しいのか、男子寮のくせに綺麗だ。そして無駄にデカい。


俺、今日からここで暮らすんだよなぁーと思うと、少しテンションが上がった。

今日会った人たちが総じて良い人そうだったというのもデカい。





俺は、ここで、あの人と離れて三年は暮らせるんだ。

その三年で、何かが変わると良いな。

変わらなきゃな。






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荷ほどきをしていると、中山が俺の部屋にやってきた。


「お、大分片付いてんじゃん。
夕飯食いに行こうぜ」

「おう。食堂だよな?」

「そっ!早く行こうぜ!俺腹減って死にそう」





中山と食堂に向かう。
またしてもすれ違う生徒たちほぼ全員から見られていた。



外部生って、そんな珍しいっけか?



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