ブック2
□導かれるままに1
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「食堂っていっても、もはやレストランだな、ココ」
「だな」
カードキーで支払えるっぽいし、メニューがなんか豪華だし。
「洋希何食う?」
「んー、刺身定食かな。中山は?」
「俺は肉じゃが〜」
注文を終えて、席を探すと、なぜか無駄にポッカリあいている空間があった。
「中山、あそこの席ってなんか特別なのかな?」
「あぁ、あれたぶん生徒会専用の席だよ」
「へぇ〜そんなんあるんだ。中山物知りだな」
「お前が知らなさすぎなんだよ。おっ、あそこ二人分席空いてるぜ」
そこは出入り口に一番近い席だった。
人の出入りがよく見える。
裏を返せば、よく見られる。
「なぁ、さっきから俺たちなんか見られてね?
朝も思ってたんだけど、外部生ってやっぱ目立つんかな?」
「んー、それもあるけど、やっぱ一番は洋希のルックスじゃない?」
「ん?俺の見た目?なんか変かな?」
途端に不安になってきた。
実家ではテレビとか見せてもらえなかったし、俺の格好どっかおかしいのかな…
「あっ、イヤ、変な風に捉えないで。良い意味だから」
「良い意味?」
俺はますます混乱してきた。
「洋希がイケメンって意味だよ。あーもう、だからそんな泣きそうな顔すんなって」
中山が優しく背中を撫でてくれる。
俺マジで涙目。
「中山…サンキューな。
俺、お前と友達になれてマジで良かったわ」
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