笑顔の貴方にありがとう


□君を殺した私
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彼の亡骸を見る事は無かった。病院でもお葬式でも会わせてもらえなかった。お葬式は家にさえ入れてもらえず玄関前の鉢植えの前で立っていた。浴びせられる罵声。投げ付けられる様々な物。このまま死ねたらいいのに。ボンヤリする私にお茶を差し出したのは彼の父親だった。『誰かのせいにせんとツラいんや』と言われた。彼の父親にマンションまで送って貰うとマンションの前にいた友達。顔面から血を流し汚れた喪服の私を見るなり彼の父親に掴みかかったのは私の幼馴染みだった。止める元気もない薄情な私。それから次の日の昼間での記憶が無い。とことん責めてほしい。バイクを買った私が全て悪いと…追い込んで欲しかった。それを絶対にしてくれなかった友達。しばらくして彼の母親から連絡があり、線香をあげてほしいとの事。家へお邪魔して線香をあげる。『あんたが殺したんは忘れへんから』そう言ったのは彼の1つ下の妹だった。頭を下げる事しかできない私を彼の母親は見たくなかったのか、部屋を出ていった…ごめんなさい。私が生きてるだけで泣く人がいるこの現実。どうか私が誰にも愛されませんように。

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