笑顔の貴方にありがとう


□ボンチ揚げ
1ページ/1ページ

3食以外食べる事が嫌だと思ったのは小学校に入る前だと聞いた。センベーを出されるとひどく泣いたらしい。彼はよくボンチ揚げを食べていた。私はボリボリ音がするので気になり見ていた。ボンチ…美味しいのかな舐めてみた。嫌な味。彼が最後のツーリングへ行く前日も食べていた…彼がいなくなり、子供が生まれた。1歳を超えた頃、スーパーでボンチ揚げを見つけた。嫌だった味。買ってみた。やはり苦手な味で人にあげた。子供が2歳になった頃ボンチ揚げを買い墓へ行った。それまでノンビリしていた娘が墓に置いたボンチ揚げを見て暴れた。ボンチ揚げの袋を開けボンチ揚げを持たせると彼女は誰もいない墓の前に差し出した。落ちたボンチ揚げ。彼女の視線は前を見ていて笑っていた。『いるん 』そぅ言うと娘は私を見て笑った。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ