時を走る少年
□タイムリープ
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「んでさ、気が付いたら…事故が起こる前に戻ってて事故にならなかったんだぜ!」
あの後、俺はおばさんの家に着き先程の出来事を話していた。
おばさんは少し考えた後、得意気な笑顔で俺に告げる
「じゃぁ…赤也はタイムリープしたのよ」
んだよ、それ
あ、因みにこの人は俺のおばさんの由美おばさん。
見た目からして、すっげー若いし年齢は教えてもらえない
「タイムリープって何だよ?すっげー、SFぽい名前だけど」
「フフッ…時間はね、巻き戻しや早送りは出来ない…だけど、赤也は戻って来れた
それは、赤也が時間の流れから飛び出したって事なの」
おばさんは紅茶を飲みながら、ぐしゃぐしゃに潰れたパイを食べる
するとまた直ぐに
「怖がらなくても大丈夫よ?
おばさんも赤也と同じくらいの時に出来たし」
「マジで?!」
「えぇ、例えば朝大切な待ち合わせに遅れて…もっと、早く起きれば良かったって思ったら少し前に戻るの、凄いわよね」
おばさんはくすくす笑いながら、切なそうに笑い小さな声で呟いた。
「赤也とは違って私の時間はもう戻れないから」
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タイムリープか
部屋に閉じこもりぼんやり考える
さっきの出来事も蘇ってくる
『おばさんに見せてよ、タイムリープ』
『いや、やり方しらねぇし』
『そうなの?コツさえ分かれば使えるようになるんじゃない?』
……無理に決まってんだろ
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