黄金太陽
□タヌキと姫さま
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「・・・・なあお市殿」
と家康は力なく呟いた
「なあに家康様?」
お市はいつもの無表情な顔で家康を見た
「わしは誰だ?」
「・・・?・・・三河のお殿様で兄様の同盟者」
「わしは何をしに姉川にきた?」
「浅井様と市に会いにきてくれたんじゃないの?」
「あぁ、確かにわしはおめぇや浅井に会いに姉川まできた・・・・・だがな」
「?」
「わしはぬいぐるみみたいに抱かれるために姉川にきたんじゃねえ!!」
そう叫びながら家康は自分をぬいぐるみみたいにギュッと抱いてきてはなそうとしないお市をにらんだが相手には伝わらなかった
「家康様は市が嫌いなの?」
「いや!?そんなわけがねえ!!わしはお市殿や浅井が大好きだぞ!!」
「じゃあなにか問題あるの?」
「だから何でわしに抱きついてくると聞いているのだ!」
「かわいいから」
当たり前のように言ったその言葉に家康は唖然とした