黄金太陽

□桜と忍びと風がふく
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 家康は自室で一人紙と向かい合ったまま動けないでいた

 「う〜ん・・・・・だめだ!何にも書く気がおきねえ!!いったん休憩でもするか」

 そういい部屋の戸を開けたらフワリと一枚の桜の花びらが入ってきた

 「ん?なんで桜が・・・・風魔〜!そこにいるんだろ一緒に茶でも飲まねえか?」

 誰もいない庭に向かってそう言うと家康はいそいそと縁側に二人分の座布団をひいて二人分の茶を入れた

『・・・・・・』

 いつの間にか一人の忍びが庭にいた

「風魔そんなとこで突っ立ってねえでここに来て座れ、今日はいい天気だから茶がうめえぞ♪」

 自分の座布団に座り笑いながらコッチコッチと手招きをする家康に敵意はまったく感じられなかった

『・・・・・・・』

「元気そうで何よりだな!北条殿は元気か?そうか、元気かそりゃなによりだ♪」

『・・・・』

「ん?そうか!そりゃ次に暇があったら桜を見にいきてえな♪あっ!でも忠勝と一緒にいったら桜が全部散っちまうな?じゃあ今度二人で見に行こな!わし忍びと花見をするなんて初めてだ♪いいよな風魔?」

 せがむように自分を見てくる小さな武将を断るわけには行かず、それどころか本当は自分が誘うつもりだったのでただ笑って頷くことしかできなかった

「じゃあ次の時が楽しみだ♪」

 桜と忍びが春風と一緒にやってくるのはいつだろうかと小さな武将は歌うように言うなかまた風がやさしくふいた

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