黄金太陽
□酒は飲んでも飲まれるな★
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『徳川家康は酒癖が悪い』
それは三河のものなら誰でも知っていることだった
本多忠勝でさえ家康に酒を飲ませようとしなかった・・・そんな三河にある異変が起きていた
『家康様〜?いないのですか〜?』
もうあたりが暗くなっている原松城で家臣の一人が家康を呼びに家康の自室の前に来ていた
『家康様〜?・・・・いないのかな?』
いつもなら『どうした?』と言って出てくるのにこの日家康は出てこなかった
『入りますよ〜?』
そう言い入った瞬間部屋の光景を見て絶句し、しばらくその場に立ち尽くしていた
『なっ!?』
あたりに散らばった書類、散乱した家具、まるで嵐でも通り過ぎたかなような光景がそこにはあった
『こっこれはいったい!?・・・・はっ!!』
そこには小さな酒瓶が転がっていて、壁には赤い文字で『長曾我部のところに行ってくる★』と書かれていた
『大変だ〜!!家康様が酒を飲まれたまま長曾我部殿のところに行かれたぞ〜!!』
『なに〜!?今すぐ忠勝殿を呼べ〜!!』
『家康様〜!!』
『急いで探し出せ〜!!忍びを全て家康様の捜索に向かわせろ!!』
『もうそれは手配しております!!』
『家康様〜!!』