星々の囁き(創作詩)

□創作詩〜恋愛〜
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夢見たあとで 
想う こと。
星嵐 渚


夢を見ていた。

あたたかい場所だった
はずの、昔の夢。

ひだまりのような笑顔と
抱きしめられたとき 
溢れ出すやわらかな気持ち
一瞬で闇に包まれて
残ったのは絶望に等しい別れの言葉

まどろみから目覚めて想うは 
何も出来なかった
情けない無力な自分と
永遠は続くと
信じて疑わなかった 
哀しいまでに
まっすぐだった心

もう、どちらも
永遠に失われ、
この身に戻ることは無い

永遠とは、
肯定の為じゃなく
否定のために使われるのか

そんな未来など
知りたくなかった
こんなふうに
強くなりたかったわけじゃない

いくつ 夜を越えれば
私を痛めつけるだけの
記憶すら
若かりし青春の過ちだったと
笑えるようになるのだろう

いったい いつになれば
君を断罪した
幼き私の
黒き言葉の槍は
その役目を終え 
私の元を去った
君に対する墓標となるのか

わからない
けど

歩んでいる
過ちの選択の先にあった
この旅路は
それでも
間違いなく
自分の選んだ
あの時の未来の果てであり
ここで生きると決めたのは
他ならぬ私自身だから

恥じぬように生きよう
俯いて目を逸らしても
躓き転んでも
厳しい現実に
負けそうになっても
この 
でこぼこだらけの
険しい路の先には
まだ見ぬ新しい明日へと
未来の自分へと
繋がっているはず

だから それまでは
歩き続けていこう
いつの日か
君と袂を分かった 
この痛みすら
尊い記憶となるように
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