星々の囁き(創作詩)

□創作詩〜恋愛〜
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夜深けの冬空の下で。
星嵐 渚


「今日は 寒くなるんだってね」
少し震える 君の声に
何故か泣きそうになる私
傍にいれば 
その身体を抱きしめてあげられるのに
この距離が悔しくて
無理に笑って返すのは
「風邪 引かないでね…」

君の不安が伝わるように
大気は冷たく夜を包む
こっちは雪になる事もなく
ただ冷たい 打ち付けるだけの
希望をかき消すような雨が
君の住む町では
君の涙を包む白い雪になって
私に君の悲しみは伝わらないんだね

同じ空を見上げているのに
どうしてこうも違う空の下
私と君の心は
伝わりあっているの?

心の距離は きっと
隣にいるはずだよね?

そう呟いて そっとケータイを閉じて
見上げた空には
うす雲の隙間から
輝く星が泣いていた
夜深けの 冬空の下で。
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