八犬伝ー日本再生伝(完結)

□熊本
〜怪物都市〜
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「詩音、大丈夫か?」
羅舞は、詩音の側へ駆け寄った。
「触らないで!」
羅舞の手を払いのけて詩音は、直ぐに電車に乗ってしまった。
「変な奴…」
それからの詩音は、何故か羅舞を避けていた。
「おい、詩音」
「…………」
「詩音」
「……」
「オーイ胸無し」
普段の詩音なら言い返してくるはずの言葉すら無視していた。
その夜とうとう羅舞は、詩音に何故避けるのか尋ねた。
「いい加減にしろよ!俺が何かしたかよ!!」
「した!思いっきりした!」
詩音の目には涙が浮かんでいた。
「?」
「あんた今日怪我が酷いのに戦おうとした!!もし、それで死んだりしたらあたしはどうすればいいの!!」
「ごめん…」
羅舞は、俯いて言った。
「とにかくあたしは、ラヴに生きていて欲しいから今回みたいな事はしないで」
詩音は、羅舞に念を押した。
「わかった、でも、お前がピンチになったら直ぐに飛んで行く、それだけは覚えていてくれ」
「うん!」
詩音は、笑顔で言った。
「なぁ…詩音」
突然羅舞は、真剣な表情で詩音を見た。
「な、何?いきなり改まって」
「さっきの奴梓様って言っただろ?」
羅舞のその言葉で、詩音も真剣な表情になった。
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