消失教室〜八犬伝第2部〜(完結)

□宏典の告白
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「…う」
「宏典、気付いたかい?」
宏典の手当てをした穂花は、宏典の小指に何かが取り付いているのに気付いた。
「宏典、何だいそれ?」
「ああ、撃たれて倒れたときに付けられたものだ…犯人はウチの副会長の世良明宏だ!随分厄介な相手だぜ『捕食系』の魔法でなあいつに攻撃、もしくは、俺の腕みたいにくっつけられるとどんどん喰われてく、俺の小指は最悪つめなきゃならねえ」
宏典は、小指を抑えた。
「遊羅と莉央は?」
「あいつらは、変な二人組に2-1に連れて行かれたぜ、まあ、あの二人なら心配ねえだろ」
「話してて良いんスか会長?」
穂花は、明宏を見るなり鍵を投げつけた。
「そんな鍵ごとき食いつぶしてくれるぜェ!!」
明宏の前にスライムのようなものが現れ、穂花が投げた鍵を飲み込んだ。
「鍵は囮だよ!」
「でしょうねェ」
明宏の全身がスライムのようなものに覆われた。
「穂花!」
宏典は、穂花を自分の所へ引き戻した。
「ぐう…」
宏典は、穂花を引っ張った反対側の腕に激痛を覚えた。
「チッ、進行しやがった」
「うう…」
痛みが引いた後で穂花を見ると、穂花の顔が明宏の魔法で喰われていた。
「不味いな…穂花、少し辛抱してくれ」
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