消失教室〜八犬伝第2部〜(完結)

□莉央の願い
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「遊羅!何処なの?なんで遊羅の魔法力が探知出来ないの?」
莉央は、二階で遊羅を探し回っていた。
「無理よ、あんたはもう、私の魔法を浴びてるんだから!この磯崎玲於奈の『幻映系』の魔法にね!」
玲於奈が魔法を解くとそこは二階の隅の教室だった。
「そんな…この程度の魔法なら私は、気付くはず…それに遊羅の魔法力も捜せないなんて…」
「当たり前でしょ!あんたが魔法の媒介にしてるブレスレットは私が持ってるんだから!!!」
玲於奈の手には莉央のブレスレットが付いていた。
「返して!!お願い!!穂花のお姉ちゃんでしょ?どうしてこんな酷いことするの!!」
莉央の言葉を聞いた瞬間、玲於奈は、莉央の脚を魔法で切り裂いた。
「うああっ!!」
「お前も私と妹を比べるのか!!!」
莉央は、痛む脚を庇いながら起き上がると、両手を上げて話し始めた。
「やめようよ、お願いだから…私は、ただ何時もの平凡な日常に戻りたいだけなの!!あなたを傷つけたくない!それに私は、穂花と比べてなんかない!玲於奈には玲於奈の良さがあると思う…」
玲於奈は、一瞬躊躇したが、莉央に魔法を当てようとした。
「ごめんね…」
莉央は、玲於奈を投げ飛ばして、手錠をはめた。

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