消失教室〜八犬伝第2部〜(完結)

□遊羅の正義
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「みんなどこに行ったんだろう?」
遊羅は、二階を一通り見回りながら呟いた。
「教えてやろうか?」
言葉と同時に刀が遊羅の頬を掠めた。
「ッく」
「俺に勝てたらな…俺の莉央を奪った遊羅君」
小柄の刀を持った男が遊羅を睨んでいた。
「なんだ…いつもの莉央のファンか…それにファンの中でも一番莉央に執着してる相馬治虫先輩じゃん…ねえ、戦うのはよそうよ、僕もあまり気乗りがしないし」
「嫌だね莉央は、お前にゾッコンだだからお前を殺す」
遊羅は、溜め息をついた。
「ハア、莉央ってこんなに人気があるの?で、もしも僕を殺して、それでも莉央が靡かなかったらどうするの?」
「莉央を殺す!欲しい物は何をしても手に入れる、それが世間一般のやり方だし世間一般の正義だからだ」
治虫のセリフを聞いた途端に遊羅の表情が一変し治虫を睨みつけた。
「僕は、世間一般の正義なんてこれっぽっちも興味はない!ただ、君は、僕の大切な莉央を傷付けると言った…僕の正義は莉央を護ること…君なんかに莉央を傷付けさせなんかしない!」
遊羅は、槍を構えた。
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