消失教室〜八犬伝第2部〜(完結)

□結界の外
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「ひ、宏典…その小指…どうするんだい?」
「まあ、見てなって…」
宏典は、人形を括りつけていたテグス糸を針に通すと、切断した小指を手に縫い合わせた。
「うっ…ぐああっ…っく…」
「宏典!!なにやってんだい!」
「何って…切断した小指を縫い合わせてんだよ」
「見ればわかるよ!けどね、そういうのは縫合した後、消毒しないといけないって知らないのかい?ったく…本当に戦闘は無知なんだからさ…」
穂花は、呆れたように言いながら消毒液を手渡した。
「サンキュー」
「死なれちゃ困るんだよ!アタシもあんたを好きになったみたいだし、あんたが初めてだよ…アタシに『愛の告白』ってヤツをしたのはさ」
「「ふ〜ん」」
遊羅と莉央が後ろでニヤニヤしながら立っていた。
「オイ!なに聞いてやがる」
「違うよ!遊羅が聞けって!!」
「いやいや、莉央でしょ!!『ひやかそ』って言ったのは!!」
4人が話していると、背後から『捕食系』の魔法が動き出した。
「チッ、抜け目のねえ野郎だ!気絶したら魔法暴走するようにしてやがった!!!」
「魔法暴走?」
「使い手が気絶すると意志に関係なく魔法が暴走する事だ…それにこの魔法だ…今は逃げるしかねえ」
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