消失教室〜八犬伝第2部〜(完結)

□宏典VS鉄矢
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穂花の戦いが続いているほぼ同時刻頃、宏典と鉄矢は、二人でタバコを吹かしていた。
「いいのかよ?生徒会長がこんなことしてて?」
「うるせーな、お前も吸ってんだろ」
「吸わなきゃやってらんねえよ」
宏典は、大きく煙を吐き出して呟いた。
「?何言ってやがんだ、穂花とも付き合えることになったくせによ!俺なんかまだまださくらに片思い中だぜ」
二人は苦労人同士話が合った。
苦労人には苦労人の世界がある。
「鉄矢にはわからねぇだろ遊羅の親友ってのがどのぐらい苦労するのか」
「分かるわ!聖の親友だって大変なんだぜ」
鉄矢は、携帯灰皿にタバコを押し付けて火を消して続けた。
「高等部に入りたての頃、聖が、先輩にケンカ売られたんだよ、よくあるだろ?生意気な後輩をシメるとかいうやつ?あいつそれで呼び出した先輩全員半殺しにしちまってよ…教員全員大慌てだぜ…あいつかばうの大変だったよマジで…」
「半殺し…おいおい…怖ええな、でも遊羅の方が危ないぜ…」
宏典は、タバコを水の入ったバケツに投げ込んだ。
「おい、まだ吸えるぜもったいねえ」
「重てえよこのタバコ」
宏典は、自分のタバコに火を付けた。
「遊羅のやつ、1学期半分しか学校来てねえんだ…停学でよ、あいつの彼女の莉央をバカにした教師の顔面に蹴り食らわして鼻の骨へし折ってよ、普通なら退学だぜ…俺が何とか停学にしたんだよ」
「教師に蹴り…」
鉄矢は、驚いた顔で言った。
「互いに苦労するな」
「でも親友だからな、俺はあいつを助けるし、聖にも勝ってもらいたい…だから、そろそろやるか?」
宏典の言葉と同時に二人は魔法媒介を出した。
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