消失教室〜八犬伝第2部〜(完結)

□宏典の告白
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「宏…典…無理だよ…アイツに弱点なんてないさ」
「知らねえよ、いくらなんでも好きな女を傷つけられて黙ってられねえよ」
穂花は、宏典のセリフを聞いて顔を赤くした。
「気付いてなかったのか?中等部時代からずっとだぜ…だから、お前は、俺が助けるから…それに人間が操るものに無敵なんかねえ…あ、遊羅の父親は別だぞ」宏典は、明宏の前に立ちはだかると小指を自分で切断した。
「うう…ぐ…く」
「血迷ったんスか会長?」
「いや、お前と戦うのに激痛が走るあんなもの付けといたら戦闘に邪魔だろ?」
宏典は、話しながら地面にマッチを落とした。
床は火の海になり明宏は、業火に包まれた。
だが、明宏を包む魔法は、更に巨大化し、炎を全て飲み込んだ。
「へえ…炎は効かねえってことか…」
「炎だけじゃあねェなんも効かねえって言ってんだろ!!たとえ相手が遊羅の父親でもな!」
「そうかな?」
宏典が人形を動かすと明宏の顔が露わになった。
「今だ!穂花!」
穂花は、明宏の首を絞め落とした。
「宏典、いったいどうやって開かせたんだい?」
宏典は、人形を穂花に見せた。
そこには宏典の切断した小指が結ばれていた。
「言ったろ?戦う前から俺の勝ちだって」
宏典は、穂花に笑いかけた。
「さてと…あの二人を探すか…」
穂花は、宏典と手を繋ぐと、歩き出した。
「さっきの告白だけど…アタシも宏典が好きだから…」
穂花は、小声で呟いた。
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