消失教室〜八犬伝第2部〜(完結)

□つかの間の安息
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「ううっ…なぜわかった?」
外で血を流している男の顔は、宏典と瓜二つだった。
「隼人兄貴…」
「おう、宏典、お前どうしてここにいる?」
隼人は、ニヤニヤ笑いながら、宏典の腕を掴んだ。
「離せよ」
宏典は、隼人の腕を振り払った。
「へえ…やっぱり昔からお前はずっと偽善的で腹立つな…もうこの際、埼玉魔法学校もあんなだから、殺しちまうか…お前」
隼人が宏典に魔法をぶつけようとする寸前の所で、光は、銃で隼人の動きを止めた。
「穏やかじゃないねぇ…どうも、こりゃ俺とラヴ君が止めるしかないじゃない…」
「止めれるならな」隼人は、傷口から弾丸を取り出し、二人に投げつけた。
二人の服に、その弾丸の周りに付いていた血が付着すると同時に二人の武器が入れ替わった。
「血を媒介にした『交換系』の魔法…とことん悪趣味な野郎だな…」
羅舞は、ぽつりと呟いた。
「あらら…武器入れ換えられちゃった…どうする?ラヴ君?」
光は、羅舞にしては珍しい無表情を見ながら尋ねた。
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