八犬伝−日本再生伝(上の続き、本編完結)

□岐阜
〜幽体都市〜
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詩音は、意識が戻らない羅舞の横で泣いていた。
「ラヴ、死なないでよぉ…あんたが居なくなったら、あたしはどうすればいいのよ、早く出血止まってよぉ…あたし、まだあんたにいろいろ伝えてないのに…」
詩音は、泣き続けた。
「ラヴさん…まだ意識が…」
水姫が心配そうに言った。
「…あの出血だからな…危険な状態だ」
霧屠が俯いて言った。
「皆さん、そろそろ、次の都市に着きます、と言いたい所ですが…寛好さんが気分を悪くしています」
寛好を見ると青い顔でうずくまっていた。
「寛好さん!」
「この都市の悪霊が儂を遠ざけようとしているようだ」
「悪霊ですか?」
雅人は、それを確かめるため一人外へ出た。
「一人も…人が外に居ませんね…」
雅人が見た街はゴーストタウンのようになっていた。
『一度、家に行ってみる必要があるようですね…』
雅人は、家の中へ入った。
「?…死んでいる」
家の中に居る人々は、皆死んでいた。
雅人は、電車に戻り、全員にその事を伝えた。
「じゃあ、明日すぐにここを出た方が良いって事?」
光が雅人に尋ねた。
「はい、私達もああなるかもしれませんし…」
そう言って、7人はすぐ出れる準備をした。
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