八犬伝−日本再生伝(上の続き、本編完結)

□富山
〜黄泉都市〜
1ページ/1ページ

良寛が次は一度富山に行くべきだと言ったので、詩音は、行き先を富山に変更した。
「何で富山なのです?」
水姫が寛好に尋ねた。
「富山は、霊が集まる泉があるらしい、そこで、ラヴ君の傷を聖霊に少し癒やしてもらえると聞いたが?」
寛好は落ち着いて言った。
「さ、みんな着いたよ」
光が笑って言った。
詩音は、泉に羅舞の体を浸したが、羅舞は目覚めなかった。
「…少し傷は癒えた…あとは、輸血だけだ…」
霧屠は、詩音に告げた。
「よし、戻るか」
大河が全員を電車に戻そうとした。
「水姫…」
背後から水姫を呼ぶ声が聞こえた。
「お…父さん?」
「そうだよ…そして、最後の『猫』の姓を持つ男さ…」
泉から綺麗な顔の男が出てきた。
「僕は、5年に1度黄泉を渡って霊体として生き返る事の出来る泉を見つけたのさ、そして最後の『猫』の意味は、僕の旧姓、猫現(ねこうつ)蒼慈って事」
「お父さんが最後の…」
水姫は状況を必死で飲み込んだ。
「寛好さんはもう僕の存在に気付いてた…水姫辛かったらいつでも力になる」
蒼慈はそう言い残して、泉に消えた。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ