猫科悲劇
□猫科悲劇:4
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何か気にいらない事でもあるのか,親の敵のように俺の部屋の畳に爪を立て続ける総悟。
「そろそろいいだろ?」
と止めにはいるも
「ちょっと。今,良いところだから話しかけんな」
とかぬかしやがった。
なんだその真剣な顔は。普段の仕事でもそのくらい真面目に出来たらなぁ〜・・・なんて頭の隅で思いながらも自分の部屋の危機に内心焦っていた。
「マジでそろそろ止めてくんないかな?」
ここで怒らせると余計止まらなくなると思いここは穏便に…とも思ったのだが,ああ云えばこう云うの繰り返しで
「いいでしょ,どうせヤニまみれなんだがら爪磨ぎの一つや二つ。」
「それのどこが一つや二つなんだ!?ずいぶん長い事やってるよね?かなり畳掘れちゃってるよね!?見えてる!?」
「うっせ−ンダよ土方,苛々すんだろーが!!」
「どっちがだこのクソ餓鬼!!」
怒りと共にガリガリと畳を掻くスピードを上げる総悟に
そろそろ我慢の限界で掴みかかろうとした。
その時,
「トシ〜入るぞ。あ,やっぱりここに居た!」
どうやら総悟を探していたらしい。
目的の人物を見つけた近藤さんがにこやかに入って来た。