猫科悲劇

□猫科悲劇:4
3ページ/6ページ

何か気にいらない事でもあるのか,親の敵のように俺の部屋の畳に爪を立て続ける総悟。




「そろそろいいだろ?」

と止めにはいるも

「ちょっと。今,良いところだから話しかけんな」

とかぬかしやがった。


なんだその真剣な顔は。普段の仕事でもそのくらい真面目に出来たらなぁ〜・・・なんて頭の隅で思いながらも自分の部屋の危機に内心焦っていた。










「マジでそろそろ止めてくんないかな?」

ここで怒らせると余計止まらなくなると思いここは穏便に…とも思ったのだが,ああ云えばこう云うの繰り返しで



「いいでしょ,どうせヤニまみれなんだがら爪磨ぎの一つや二つ。」

「それのどこが一つや二つなんだ!?ずいぶん長い事やってるよね?かなり畳掘れちゃってるよね!?見えてる!?」

「うっせ−ンダよ土方,苛々すんだろーが!!」

「どっちがだこのクソ餓鬼!!」


怒りと共にガリガリと畳を掻くスピードを上げる総悟に
そろそろ我慢の限界で掴みかかろうとした。






その時,

「トシ〜入るぞ。あ,やっぱりここに居た!」

どうやら総悟を探していたらしい。
目的の人物を見つけた近藤さんがにこやかに入って来た。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ