猫科悲劇

□猫科悲劇:12
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そして取敢えず、まずは逃げ足の速い猫を探すことにしたのだが
癇癪を起こし忽然と姿を消した沖田に嫌な予感がして土方は急いで自分の部屋へと向かった。
その様子にハッとした近藤も慌てて土方の後を追う。



襖をあける前に一度深呼吸をする。
気持ちを落ち付かせてからゆっくり自室の襖を開けると
そこにはどこぞで見た光景が広がっていた。


親の敵のように土方の部屋の畳に爪を立て続ける沖田にデジャヴ感…


当の沖田はと云うと、こちらをチラリと見るも手は止めず
時折爪と磨ぎの成果をまじまじと見て次は場所を変えて新たに爪とぎを始める始末。



「この一件が終わったら畳と障子、張り替えような、」

部屋の惨劇を見てガックリと肩を落とす土方に近藤はポンと肩をたたいて同情の眼差しで部屋を見回した。
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