猫科悲劇

□猫科悲劇:17
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今日は少し体がだるく気分がいまいち優れない。
はぁ〜、ため息交じりに息をつく。

(山崎のやつ、次の日には帰ってくるって云ったじゃねぇか)

昨日の夕方には帰るはずの山崎は今朝になっても帰らなかった。
今日のご飯にもあの黄色い物体が乗っていると思うと自然と口の中に胃液が上がってくるような感覚がして軽く頭を降った。
そもそもそんな食事には一切口を付けなかった。
意地とたまに近藤さんや隊士たちから貰う
たい焼きや団子でなんとか我慢していたがそろそろ限界が近い。
もう腹が減って仕方がない。
帰ったら何をしてやろうかと廊下を歩いていると
真選組屯所では見慣れない銀髪。







「ぁ、旦那じゃねぇですかい。」


そう云って銀時を見上げていたのは小さな見慣れた猫の姿。
猫化した沖田が其処に立って首をかしげている。


「よぉ、相変わらずだねぇ」

「何で旦那たちが居るんで?」

「いやちょっと…」

そう云ってさっきまで覗きこんでいた副長室の中をチラリと横目で見る銀時。
つられて沖田も数歩歩み寄り身を乗り出した。
開いた襖の前に立ち尽くしている新八と神楽の足の間から頭を出し中を覗き見ると
其処にはいつも以上に機嫌の悪い土方と絞られ真っ最中の山崎が居た。
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