猫科悲劇

□猫科悲劇:17
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「いや〜、それにしても猫まんまにマヨはいかんよ、マヨは。」

テメーにだけは云われたくねぇよ糖尿野郎が!と穏やかではない云い合いを始めようとする者も居れば、


「まるで飢えた野良猫アルなぁ」

「死ねチャイナ」

こちらもこちらでまた喧嘩が始まろうとしていた。
早速山崎が用意したまともな食事にがっつく沖田。
それを見て鼻で笑う神楽に口を休めずギロリと横目で睨みつける沖田の姿にまた嵐の予感。

「もー!お願いだからみなさんケンカは止めてくださいよ!!」

また怪しい空気が漂い始めたので慌てて新八が制止の声をかけた。














「…それで?」

食事をする沖田をそのままに
真選組局長と副長、監察の山崎、万屋一行
それぞれが膝を突き合わせてひとつの部屋に集まった。


「まずこれを見てください。」

そ云って新八が差し出したモノは
お通ちゃんモデルの例のお菓子の宣伝ポスター。
初めて見る近藤と土方はポスターをまじまじと見つめた。
勿論目に付くのは、最初沖田についてたような髪の色と同じ色をした猫の耳と尻尾をつけたお通ちゃん自身。
そしてその手にちょこんと乗ったこれまた見覚えのある小さなチョコレート菓子。
2人の眉間に一気に皺が寄る。

「これは…?」

「沖田さんがチロルに似たチョコレートを拾って食べたって云ってたので、もしかしてと思って調べてみたんです。

ぁ、コレなんですけど…。」

そう云って新八は、持っていた紙袋から色とりどりのチョコレート菓子を取り出した。


「天人との共同開発なんだと。失敗が多かったらしくてな。やっと安全かつ思ってた通りの製品が出来たばかりなんだそうだ。」

そう云ってひとつ手に取り手の中で遊ばせながら
説明なのか呟きなのか分からない口調で淡々と話し始めた銀時たちに近藤や土方は静かに耳を傾けた。
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