リクエスト

□血の海に咲く花
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鬼兵隊の目撃情報がここ数日で何件も入ってきた。


まだ何かしでかしたと云うわけではないが、奴らは名の通った過激派集団だ。
真選組にこの様な情報が入ってきている以上放っておくわけにはいかない。
奴らが今回何を目当てに江戸へやってきたかは知らないがデカイ魚を釣り上げる絶好のチャンスでもある。





見回りは強化され必ず2人一組を徹底
徒歩組、パトカー組に分けて何かあった時すぐに応援が呼べるよう
各個人の配置も日によって組み直したりと、真選組全体にピリピリとした緊張感が走っていた。

“江戸に高杉晋助が居るかもしれない”
俄然やる気の沖田はその日も真面目に江戸の町に繰り出した。














そして、その日の午後
他の隊士からそれらしい人物の目撃があり、無線で応援が入った。
そこは沖田が巡回していた通りの一つ先の道だった。
応援の連絡を受け一緒に見回りをしていた部下に他の隊にも連絡をいれるよう促し、急いで連絡を受けた隊士たちのもとへと走った。


それらしい人物を目撃したと云う隊士と合流し、その時の状況やだいたいの身なりの報告を行っていた。
その時ふと、何か通常と違う雰囲気を嗅ぎ付けた沖田はあたりに目をやる。

「隊長?」

どうしました?と不安がる隊士たちを何でもねぇ、となだめて前に向き直る。
が、やはり違和感がぬぐえなかった。
何か途轍もなく恐ろしい何かが近くに潜んでいる様な、嫌な雰囲気だった。




そして視界の端にチラリと映った
いかにも怪しい後姿。
そこから放たれる気配はやはり異様。

隊士たちが集まる輪から静かに抜け出しその背中を追いかけた。
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