リクエスト
□大切な人、大切な場所、大切な想い
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いつの頃からだったか…
あの人たちの目を真っ直ぐ見ることができなくなったのは。
強敵に出会う度に言われた
『人殺しの目』
彼らは自分と同じだと言っていたが
俺はこちら側の人間だ。
お前たちとは根本的に違う。
そう云いたいのに
一度だってその言葉を口にできた事はない。
だって、人殺しの目だなんて
そんな事わざわざ言われなくても自分で分かっている。
人を殺すのが俺の仕事だ。
でも、同じ仕事をしている近藤や土方、
他の隊士たちとも違う気がして矛盾を抱く。
俺は結局どちら側の人間なんだ…?
血の臭いをかぎ付け戦場に集るなんて
そんな器用な真似してるつもりはないが、
本能的にそうしている自分が居るのかもしれない。
そう考えだしたら嫌な方にばかり自分を追い詰める答えしか出てこなかった。
そのたびに頭を抱え違う違うと自分に言い聞かせ、あの人たちの前では平然を装うことを続けてきた。