猫科悲劇

□猫科悲劇:2
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ある日,突然猫らしき耳と尻尾が生えてしまった真選組一番隊隊長の沖田総悟。今回もまた新たに大きな問題を抱え頭を悩ませていた。



(あぁ,ど−すんだよコレ。つーか,どうしよう俺。いつの間にこんな高い所に来たんだ?)

沖田は屯所内の庭にあるちょっと高めの木。只今,その木の丁度真ん中あたり,足場の不安定な状態で動けずにいた。下までの距離は結構ある。



なんだか知らないけど妙に湧き上がってくる好奇心に勝てずにここまで登ってきてしまった。
それはいいが勢いだけで登ってきてしまった為に今度は下りることが出来なくなってしまっていたのだった。




「ちょっと誰かいねぇのかよ…」

勿論他の隊士たちは其々のやるべき仕事に出てしまった後なので誰か通るとしてもどのくらい先になる事やら。

足場も太めの幹一本。
とても不安定な為,今は落ちないよう手足に集中。
大声を出して早く誰かに下ろして貰いたいところだが声を出すだけでも体の重心がふらふらしてしまい,そんな事をしたら落っこちてしまいそうな気がして声も遠慮がちにしか出すことが出来ない状態。

決して怖いわけじゃない。
早く下りて背伸びがしたいだけだ。
断じて怖くない。ここだけは譲れねぇ!
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