猫科悲劇
□猫科悲劇:8
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「ってことで一晩泊めてくだせぇ」
「“ってことで”じゃねーよ。テメーんち帰れ」
「そうアルよ!てめーなんかぜってー泊めねぇからな!!」
「ハラ減ってるんでメシもお願いしまさァ」
「いや図々しいよこの人」
すかさずボソっと新八も口を開く。
そんな新八を下からチロリ睨む沖田に、この前から僕,沖田さんに何かしましたっけ?と問いたくなった新八だったがぐっと我慢した。
そう,あの後沖田は晩飯時の万事屋へと上がり込んでいた。
ドアをガリガリと前足で引っ掻き,出来た隙間に頭を突っ込み無理矢理抉じ開けると
勝手知ったるといった風に普通に室内へと入ってきた。
「そ、それにしても銀さんから聞いてたけど,本当に猫になっちゃったんですね沖田さん」
そう云ってまじまじと沖田を見る新八にまたしても嫌な顔をして「なんでィ」と沖田は睨みを利かせてきた。
いやだからなんで僕ばっかり?と頭を抱える新八を余所に
「じゃぁ依頼ってことでお願いしまさァ」
と云ってソファーの上へと飛び乗りちょこんと座った。
しばらく悩んでいた銀時はハァ〜っとこれみよがしに溜息を吐いた。
「わーったよ、その代わりガッポリ頂くからな」
「嫌ヨ銀ちゃん!!私こんなヤツと同じ空間にいるだけで吐きそうアル、うぅ吐きそう…」
「こらこら指突っ込まないの」
自分の指を無理矢理喉の奥まで突っ込み一生懸命吐こうとえずいている神楽の姿に慌てて銀時と新八で止めに入る。
「汚ねぇなァ、あっちでやりやがれィ」
「んだと!!誰の為此処まで・・・」
と云うなり本当に吐きそうな神楽に袋、袋と慌てふためく新八。
その光景に先が思いやられると云った風に顔を引き攣らせた銀時であった。