猫科悲劇
□猫科悲劇:10
1ページ/10ページ
朝になっても帰って来ない沖田にしびれを切らしかけていた近藤のもとに1本の電話がかかってきた。
それはとある動物病院からで,
喋る猫が来て、(どういう経緯かはよく分からなかったが)
とにかく此処に連絡すれば分かるとのことだったらしい。
全部聞き終わる前に『すぐに行きます!!』とだけ言って一方的に電話を切り慌ててパトカーへと乗り込んだ。
途中で,夜からずっと沖田を探しているであろう土方たちにも連絡を入れ
赤信号に、もどかしさを感じながらも自分のポケットへ手を入れて何かをとりだす。
出てきたのは小さな鈴のついた赤い首輪。
(理由も話さずに無理矢理これを付けようとしたから総悟は怒って飛び出して行った。
動物病院に居るって事は,もしかしたら事故に合ったのかも知れない。大きなけがをしたのか?それとも… )
悪い想像だけが頭をよぎり泣きそうになりながら、電話のあった動物病院へと急いだ。
目的の動物病院へ入ると
そこにはすでに土方、山崎、万事屋の3人と大きな犬が居た。
みんな小さなバスケットの中を覗いている。
「局長!!」
先に気が付いた山崎がこっちです!と手を振り呼びかける。
その声にみんな近藤が来たのに気が付いたようだ。
「総悟は、総悟はどこに!?」
車を降りてから此処までずっと走ってきたのだろう。
はぁはぁと息を切らし、走ってみんなの元に駆け寄る近藤。