猫科悲劇
□猫科悲劇:17
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「副長、山崎です。只今戻りました」
片膝をつき丁寧に頭を下げ、部屋の中に居るであろう土方へと静かに声をかけた。
返事はすぐに帰ってきた。
入れ、と一言。
それが合図の様にゆっくりと副長室の襖を開ける。
「で、?」
「やっぱり黒ですね、」
「…いや、そうじゃなくて、」
妙に歯切れの悪い声に顔を上げ土方の目線の先を追うとどうやら自分の後ろを訝しげに見ている。
「何でこいつらが居んだ?」
「何アルか!?先に情報仕入れてきたのは私たちネ。新八のアイドルヲタクのたまものアルヨ!!」
「神楽ちゃん、最後のは余計だよ!」
ギャァギャァと騒がしく云い合いを始めた2人の後ろから銀髪のテンパひょっこり顔を出し『よぉ』と片手をあげてニヤついていた。
「いや、その〜,俺少ししか話聞けなくて、旦那たちから話して貰った方がより詳しく…というか、何というか……」
「山崎ィ!!テメーは一体何しに行ってたんだコラァ!」
報告そっちのけでボコられる山崎はいつもの事。