短
□夢心地
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朝の食堂。
いつもと変わらぬ風景。
それぞれが席につき黙々と食事をとる隊士たち。
しかし、今日はどことなく騒がしい様な…慌ただしい様な。
まぁ何かの話題に何人かで攣るんでわいわいやっているのはいつもの事。
そんなに気にすることもなくスル−。
しかし、そんな話題の中心に今居るのが1番隊隊長の沖田。
「隊長,隊長!!今日はどんな夢見ました?」
何人かの隊士達が朝飯を食べに来た沖田の周りに集まりだした。
「…なんにも〜、つーか覚えてねぇ。」
たった今起きたばかりなのであろう。
眠そうに目を細めた状態で緩く箸を握りモグモグと口を動かしている沖田。
本当に覚えていないのか、はたまた喋るのがめんどくさいのか適当に言葉を返す。
それでも負けじと隊士たちが声を上げる。
「えぇ〜思い出して下さいよぉ〜!!」
「俺でてきました?」
次々に質問てくる隊士たちを軽く睨みつける沖田。
(飯が進まねぇ…)
だんだん苛々してきた沖田はまだ半分も食べていない状態で箸を置き椅子から立ち上がった。
「うっせーなテメーらは。今日はなんも見てねェっつってんだろうが。」
コレ片付けといて、と言い残し足早に食堂を出る。ゆっくり朝飯も食えやしねェ。
最近の隊士たちの話題は沖田が見る『夢』。
どうやら沖田が見た夢が現実になるらしい。
正夢ってやつだ。
それがよく当たるらしいと噂になっていた。