短
□白い気持ちで
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「…何コレ?」
「?,何って…手ですけど?」
「ンなこたァ分かってんだよ!なんで握ってんの?冷てーんですけど」
隣にいた総悟が急に俺の手を掴んできた。
市中の巡回中にだ。
「当たり前でさァ、冬だもん」
本当に当たり前のようにしてケロッと云う総悟。
そう、今日は雪でも降るんじゃないかってくらい寒い。
こっちだって寒いの我慢してんのに、
そんな中俺の体温を奪うこの冷たい手。
「それなのにアンタの手はあったけェですねィ」
もしかしてカイロ仕込んでやがったな!?
なんて云いながら下から睨みつけてくる赤い目。
「もってねーよ」
ハァ〜,っと白い息を吐く俺。
はふはふと、ちょっと呼吸数の早い斜め横の低体温。
まだ俺の手を掴んで離さない。