リクエスト

□焼きいも
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何人分だろう、という量の芋を抱えた沖田が
目の前を平然と通り過ぎていく。
土方の脳裏には沖田の今日の日程が浮かぶ。

コイツはまた仕事もせずに…



「おい、総悟!なんだそれは」


「…芋ですが?」


少し考えた沖田は呆れたように
当たり前とでも言うような返事をよこす。


「見りゃわかんだよ!仕事はどうした?報告書、まだお前のだけ来てねぇんだけど!」


「まぁまぁ、そんな怒鳴らないで下さいよ。今は休憩中なんで」


「お前はずっと休憩してんだろーが!遊んでんじゃねぇよ」


「じゃぁ、息抜き。これ食ったらすぐ出しに行きますから」


「休憩とどう違うんだよ!」


「腹ごしらえ?つーか、終兄さんが待ってるんでもう行きやすねー」


「あっコラ待て!」


言うが早いか土方の制止の声も聞かずに足早に去って行った。
その後ろ姿を眉間に皺を寄せ睨み付ける土方。
不覚にも静かに見送ってしまった。

はぁーっと溜息をついて手元の書類に目を落とす。
他の隊が提出した副長の確認がいる急ぎの書類だ。



「…後で様子見に行くか」
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