リクエスト

□焼きいも
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仕事がひと段落した土方は
沖田が居るであろう中庭へと足を向けた。


パチパチと言う音と
芋の焼ける匂い。

縁側に腰掛けたアフロと
焚き火の前にしゃがみ込んだ茶色い頭。



「終、お前まで何やってんだよ」


怒りを通り越し呆れ果てた土方の声に
斎藤は首を傾げた。



「終兄さんー、芋焼けましたぜ…

げ、土方さん何しに来たんでィ」




「げ、じゃねぇよ。様子見に来て見ればやっぱりコレかよ」


「アンタの芋はありませんぜ。ハイ、終兄さん」


「いらねぇよ。つーか、終も一緒になって遊んでんじゃねぇよ」



熱々の芋に苦戦している背中を膝で小突き苛々をぶつける。
少し慌てたように身振り手振りで何かを伝えようとする斎藤の様子に
沖田がすかさず口を挟む。


「終兄さんは関係ないでしょ、俺が誘ったんでさぁ」


「その誘いに乗るなっつってんだ!分かったか終」


「だから、兄さんに当たんなくてもいいでしょ」


これだから短気はいけねぇや、と
小言を漏らしながら焚き火の前へと戻る沖田に
青筋を立てる土方の姿は見えていない。

ひとりオロオロする斎藤の隣にしゃがみ込んだ土方は
沖田に聞こえないように声のトーンを落とした。






「つーかさ、お前いつから
総悟に”兄さん”呼びされてんだよ」





「……」
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