リクエスト

□壊れた硝子の心には
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江戸を去る事になった真選組は
慌ただしかった地球での激動の日々とは一変し、
ひと時の平穏さを取り戻しつつあった。


だが、地球をたってから
沖田の様子がずっとおかしい。





本人はいつも通りを装っているようだが、
たまに覗かせる怯えた様な陰り、
苦しそうに表情を歪める事もしばしば…

それは決まって近藤と話した後や
その姿を見た時、傷の手当てをする時に
沖田の瞳に不安の色が混ざる。


そんな沖田を近藤、土方共に心配していた。
見兼ねた近藤が相談に乗った事もあったが、そのままのポーカーフェイスで
何もないです、と黙り込んだまま。
だが、何かに耐えるように強く手を握り瞳に影を落とす。
何度となく沖田に話しを持ちかけた二人だったが、一向に悔やんだ表情や苦しみは消える事はなかった。





たまに何気ない会話に安心したとも取れぬ表情でうなずく事もあったが
その一瞬だけで、
暫くするとまた同じ様に表情を曇らせたのだった。






土方には何と無く心当たりはあった。

近藤の死を目の当たりにしたあとから妙に落ち着かない様子の沖田の姿を何度となく目にしていた。
実際は仮死状態になっていただけだったのだが…。
あの場を乗り切る為の演技だったとはいえ沖田の心には相当堪えたらしい。


土方も最初の頃は今の沖田と同じ気持ちではあったが
宇宙に出てゆっくりとした時間を過ごし、無事だったと再確認していくうちに
あの時の不安もいつの間にか消えていた。


沖田がいまだにあの辛かった気持ちを引き摺っているのだと思うと
胸のあたりがジクリと痛んだ。
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