猫科悲劇

□猫科悲劇:10
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「沖田さんならここに,」

と、山崎に云われて見た先には
小さなバスケットの中で眠る小さな猫の姿。


慌てて駆け寄り顔を覗き込むようにしてみる。
ぐったりと横たわり、眼は薄く開いていて。
息をしていないような気がしていっきに血気が引くような感覚。サーっと青ざめる近藤。
よくよく見れば額には切り傷があり、首には包帯が巻かれていた。
益々不安感が押し寄せる。
『総悟、総悟、』と声をかけ沖田の体を揺するが全く反応がない。
大丈夫だから落ち着け、という土方の声も今の近藤には届いていないようだ。
すると後ろから声が聞こえた。

「真選組の局長さんですね?」

真っ蒼な顔して泣きそうな顔の近藤に困ったような笑みを浮かべる白衣を着た男の先生。



その姿を目にした近藤は縋り付く様に白衣の男へと駆け寄る。

「総悟は、総悟は何でこんな事に…いったい何が!?」

焦りで言葉のまとまらない近藤に土方が落ち着くように促すがそれどころじゃない。
先生に掴み掛らん勢いだ。

「大丈夫ですよ。今は少し、麻酔が効いて寝むっているだけです」

時期にゆっくりと覚醒しますよ。と穏やかに安心させるように云う先生に、ハテナマークがいっぱいの近藤。

「なんで麻酔なんか…」

そうだ、なんで総悟に麻酔をかけるんだ?
まさか…
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