最後の物語

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「まぁ、今日はもうすぐ私もお父さんも任務だからそろそろ閉店と明日の準備しなくちゃね。
まだ夕方前だし帰ってゆっくり休んだら?」

「そうね。…そうします」

「なるべく体力回復させておかないとカカシ先生と出来ないもんねー?」

「め!」

怒ると彼女は笑いながらも逃げるように準備室へと入っていく。

「まったくもう」

そうぼやいて私は立っていたレジの棚から発注書を取り出して閉店準備を進める。

細かい備品の発注書を書き上げた私は掃除具の入ったロッカーから箒と塵取りを取り出して店内を掃除する。

ゴミを集めてひとまず一度店の外に掃き出し
そして次にお店の前を掃除する。

箒を動かしゴミを集めていると、ふと前から9歳か10歳ほどの可愛らしい女の子がパタパタと走っていた。

薄いピンクの髪をポニーテールのように纏め上げ
忍者を思わせるような同じくピンク色の服を身に纏って元気に走る。

「いやーんっかわいー!」

表に出てきたいのちゃんもその女の子を見てそう言った。

自分の事だと気付いていない女の子はすぐ前を走り去る。
背にはみっつの大きな巻物を背負っていた。

「あの子額当てがなかったわね」

「そうね」

「将来有望なくの一かな?」

「ふふっあの歳であの意気込みならエリート間違い無しですね」

「すず音さんとカカシ先生の子供は間違いなくエリートよね」

「カカシさんの遺伝子を100%受け継がないと…私のが入っちゃうと…」

「すず音さんのが入らないと可愛げが無いわよーっ
多少苦手な事があってもそれを補えるそんな賢い子よ!間違いなし!」

「そうだといいなぁ」

女の子は既に見えなくなっていた。

ピンク色のポニーテールの女の子を思い出し、その可愛らしい姿にクスリと笑うと私は掃除を再開したのだった…


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