最後の物語
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「だーー!!もう!
あのおっちゃん何処行ったってばよ!?」
「騒ぐなナルト…」
里内のトウホウの捜索を開始してはや数時間。
各チームは未だトウホウを見つけ出すことが出来ていなかった。
とうの昔に里一周をし、もはや何周目かわからない。
なんとかトウホウらしき人物が泊まっているという素泊まり宿は見付けたものの、肝心の本人は見かけない。
木ノ葉の里は確かに広い里だが忍が6人も集まっていてひとりの、それも盲目という特徴のある人物を探し出すのが難しいほどのものではない。
変わらない状況と、もしかするともうすぐ見つかるかもしれないというもどかしい状況に先に爆発したのはやはりナルトだった。
「もしかしてお付きの人って奴がトウホウのおっちゃんを連れ回してんのか!?
連れ回しすぎってばよ!」
「付き人は火影様によると若い女性って言ってたな。
ま、その人についてはトウホウよりも探すのが困難だろうな。
誰も会ったことない上に匂いも無かったからな。
とりあえず、最後の目撃場所まで急ぐぞ。証言者の話を聞く限りまだそんなに時間は経っていない」
「えーっと、何処だったっけ」
「図書館周辺だ」
「了解ってばよっ」
民家の屋根を蹴り、ナルトとカカシは走るスピードを速めた。
今日はいのちゃんのお店がお休みの日。
私はノートや図書館で借りた何冊かの本を入れたバックを下げて図書館を目指していた。
サイくんの予定は分からないけど、カカシさんの話によると今は人探しの任務を一緒にしているらしいからしばらくは図書館に来られないだろう。
自分ひとりでも出来る範囲までやってみよう。
そう意気込んで歩いていると
「っ!」
ドンッと後ろの肩辺りが何かにぶつかった。
「あ」
そしてすぐ後ろで男性の声。
どうやら人とぶつかったみたいだ。
振り返って見ると髪の長い男性が手に持っていたのか地面に落ちたリンゴを拾っている。
「すっすみません!手伝いますっ」
「ああ、こちらこそすみません。助かります」
リンゴを拾い集め男性を見る。
男性は既に私が拾い集めたリンゴを未だしゃがんで手探りで探している。