山守月天子

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「……はい。約束ですもんね」

「え」

「私を好きにしてください。
戦うカカシさんを見せてくれた、お礼です」

「すず音…」

ポカンとするカカシさんに私は笑いかける。
そんな私にゆっくりと近付いてくると顎をくいっと持ち上げてちゅっとキスをした。
唇が離れ見つめられる。
マスクのない、口元にほくろのある素顔が目の前にある。
いつも気怠そうに細められている目は今は同じ細目でも私を誘うように色気のある男の人の目。

この目に私はいつもときめかされる。

傷のある片目は閉じられ、黒い瞳が私を見下ろして金縛りにする。
動けない体はあっさり捕まり、抱かれ、彼の寝室へと運ばれた。
リビングが暗くなり家の全ての明かりが消える。
月光だけが唯一の光源。
その月光が降り注ぐカカシさんのベッドに私は寝かされギシッ…と覆い被された。

「…寝巻き変えた?」

「はい。前のは古くなったので」

「いいね。同じワンピースだけどこの寝巻きならたくし上げなくても胸が出せる」

私が新しく買った寝巻きは胸元にボタンがついたワンピース。
寝る時は下着を付けないので、そのボタンを外せば胸はそのまま現れる。

「………」

「すず音?」

「…カカシさんに、外してもらいたくて」

「………」

「そう思って…選んだんです」

言ってて恥ずかしくなった。
彼の顔を見れなくて目を逸らしていると再び顎を持たれ無理矢理目を合わせられる。

「ん…」

唇が押し付けられる。
直後にぬるりと舌が挿入される。
生暖かく、ぬるぬるとしたそれに私も舌を絡めた。

まるで媚薬でも飲まされてるかのように彼と舌を絡めていると体が熱くなる。
触ってほしくなる。いじめて欲しくなる。めちゃくちゃにされたくなる。

やっと唇が離れると欲情の色に染まった目で私を見下ろし、彼は言った。

「エッチな気分になった?」

息を切らせながら私も湧き上がるやらしい気分に任せて

「抱いてぇ」

ギシリと再びベッドが軋む。

月光で出来た私とカカシさんの影は重なっていた。


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