そらのいろ
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「げっなんだあいつ…濃ゆ…」
「バカ。里の忍じゃねーか」
「しかも上忍じゃね?
ちぇっせっかく気弱そーな奴見つけたってのによ」
私の腕を掴んでいた人がパッと手を離し、三人はブツブツ言いながらも去っていく。
それを見て全身緑の男性は怪訝そうに
「うん?おい、どうした。かかってこんのか?
そんな様子じゃ青春は勝ち取れないぞ!」
大きく「はっはっはっは!」と笑い、去っていく三人を見送る。
私はその男性に向き合うと深く頭を下げ
「あの、ありがとうございました」
「いやいや!構わないさ!ところできみは………っ!?」
私が顔を上げた途端男性は目を見開いて固まる。
そしてぐっと顔を近付けてくると私を凝視した。
「あ…あの…?」
「か、可憐だ…」
「え?」
「なーんでガイがココにいるわけ?」
カカシ先生の声がしてその方向を見ると、私の前にいる男性を呆れたような…めんどくさそうな表情で見ている。
ガイと呼ばれた男性はパッと表情を変えてカカシ先生を見ると
「おお!我が永遠のライバルっカカシよ!偶然だな!
いやなに、ついさっきこの子が男に囲まれて無理やり連れて行かれそうにしてたからな。声をかけただけだ」
「えっ」
バッと勢いよく私を見るカカシ先生。
私はカカシ先生を安心させるように笑いかけ
「遊びに行くけど欠員が出たから一緒に行こうとか何とか言ってました。
強く断れなくて困ってた所を助けて下さったんです」
「……なんだ。ただのナンパね…」
ホッと息をつくカカシ先生。
「ま!そういう事なら今日の所は感謝するよ、ガイ」
「ちょっと待てカカシ!その子と知り合いなのか!?」
「知り合いって…前に説明したでしょ。
今俺の家に監視も兼ねて女の子が一緒に暮らしてるって。その子だよ」
「そ!その可憐な子がか!?
カ、カカシ!貴様まさか手を出してないだろうな!?」
「出すわけないでしょー未成年だよこの子。犯罪だってーの。何なのよ突然」
「未成年!?いやっ歳など関係ない!
恋愛に障害は付き物、これこそ青春だ!!…きみ!」
ガシッと両手を握られる。驚いて固まっているとガイさんはぐっと近付いて
「俺と付き合ってほしい!」
…………………。
「……ええ!?」
「はあ!?」