そらのいろ
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「……痛いのはイヤです。
全身に回るなんて今から考えても物凄く辛いです。
だけど、きちんと健康体を取り戻してまたみんなと一緒に木ノ葉を歩き回りたい。
…これが本音ですよ」
ニコリとナルトくんに微笑みかけると彼は満足そうに笑顔になった。
「頑張れよすず音ねーちゃん。
オレってば、エロ仙人と修行の旅に出る約束しちゃって…すず音ねーちゃんが大変な時に傍にいてやれなくてさ。
すっげー心配だけど、綱手のばーちゃんもサクラちゃんもいるし、カカシ先生もいるからきっと元気になってくれるって信じてるってばよ!」
「私も、ナルトくんがもっともっと強い忍になって帰ってきてくれると信じてますね」
「おう!任せてくれってばよ!」
太陽のように明るい笑顔。
それだけで、私は元気を分け与えられたように心が明るくなる。
「すず音さん、これ…」
サクラちゃんが差し出してきたのは私の制服。
綺麗に洗濯されて畳まれている。
「お母さんにお願いして洗濯してもらったんだけどね…?
シャツとスカートについた血、綺麗に落ちなかったの」
受け取り、広げてみると確かに血の跡が残っている。
スカートは紺色だからまだ誤魔化せるだろうが、白いシャツはさすがに無理だ。替えもない以上処分して別の服を用意せねばならない。
「それで…これ、すず音さんにあげる」
「…?」
サクラちゃんが差し出してきたのは可愛らしい紙袋。
赤い花のようなリボンがついており、軽くラッピングされている。
「これは…?」
「すず音さんに誕生日プレゼント。
カカシ先生に聞いたの。
すず音さんって誕生日は夏の時期なんでしょう?
もう秋になっちゃうから早く渡したくて」
「え…」
「ナルトとカカシ先生からお金を預かって
私といの…それから、途中で会ったヒナタとテンテンも一緒に選んだの。
きっとすず音さんに似合うと思って」
「わあ…嬉しい。ありがとう…」
紙袋を受け取り、その中身を大切に取り出す。
それは、一枚の白いブラウスと長いロングスカートだった。