そらのいろ

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賑やかでほのぼのとしたやり取りを見ていた火影さん。

彼女はしばらくして口を開くと

「とりあえずすず音は今日で退院だ。
痛みの症状が悪化したらしばらく入院生活になるんだ。
まだ日常生活に差し支えない今の内に色々とやっておきな」

「分かりました。火影さんもありがとうございます」

「じゃあな」

私に背を向け病室を去ろうとする火影さん。

「あっあの!」

その背に私は声をかけた。
火影さんは不思議そうに振り返る。

「ん?」

「あの…里を勝手に出た事のお咎めはないんですか?
勝手なことして…カカシ先生達にご迷惑をかけて…まるで里の皆さんを裏切ったみたいなのに」

「そうだな。
里を勝手に出た事に関しては確かに感心しない。
悩んでいた事があったのに誰にも相談しなかった事もな。
…だが、それらはお前なりの里や里の忍であるカカシ達を守ろうと思っての行動なんだろう?
なら何も咎める必要はない。裏切り者でも何でもないからな。
強いて言うならこれから伴う体の激痛だな。
可哀想だが自業自得でもある。薬を飲んで耐えれば元の健康体に戻れるんだ。頑張るんだよ」

そう言って火影さんは病室から去って行った。

「あんな事言ってるけど、綱手様もすず音さんのこと凄く心配してたのよ。
自分を知る人が誰もいなくて、敵にも狙われて…さぞ心細いだろうって。
だからすず音さんがいなくなった時捜索に人員を割く事が出来ない事を物凄く悔しがってたの」

サクラちゃんのフォロー。

でも、大丈夫。

「ちゃんと分かってますよ。…火影さんは優しい人です」

サクラちゃんは嬉しそうに微笑んだ。

「よしっすず音ねーちゃんの事もひと段落したし、オレってばエロ仙人の所に行ってくるってばよ」

ナルトくんが突然元気よくそう言った。
私はキョトンとして

「え、今日出発なの?」

「ああ。すず音ねーちゃんが元気になるまで待ってくれってお願いしたからさ」

「そんな、プレゼントのお礼も出来てないのに…
ご馳走だって一緒に食べてない」

「そんなのいいってばよ。
すず音ねーちゃんが早く元気になって、帰ってきたらまた一緒に一楽のラーメンを食べに行ってくれる方がよっぽど嬉しいってばよ」

「ナルトくん…」



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