そらのいろ

□24
4ページ/4ページ


「で、その口振りからしてもう忍者はいないってわけ?」

「はい。いつの頃からか忍者という存在は滅んでしまったようです。
時代の流れと共に便利な情報収集の為の道具等が出てきて、それを使う方が人間を使うよりも確実で早い為忍者を使う人達が減っていったんだと思います。
やがて私の国は他国との戦争に負け、今は専守防衛と武力を持っていても守るだけで決して戦わないという国になっています」

「なるほどね。
普通は負けた国は勝った国の武力にされる為色々と訓練や奴隷を強要されるんだが…
すず音の国がよほど都合の良い場所にあるのか
それとも、その国の人間達を力で押さえ込むのはまずいと感じる何かがあったのか…」

「死を恐れない民族でしたからね…
ここでいう火影さんの為に死ぬことは名誉なことだと信じて疑わない民族でした」

「あー。そりゃ厄介だ。
そういう奴等ってほんと見境ないから面倒なのよネ」

カカシさんも今までの戦いの中で経験があるのかうんざりとした表情になる。

「でも…ま!そんな戦闘民族が平和主義になるくらい恵まれて豊かな国になったんでしょ?
言い方は悪いかもだけど、負けて良かったのかもね」

「そうですね。私はそう思います。
殺し合うことだけが、勝つ事ではありませんから」

ニコッと笑うとカカシさんも笑い返してくれる。

「可能ならすず音の生まれ故郷に行ってみたかったなぁ」

「カカシさんはどうしてか私の世界には行けないみたいですしね…」

「どーもチャクラがダメみたいなんだけどこればかりはどうしようもないよね」

「チャクラはこの世界では生きてる証のようなものですからね。仕方ありません」

「まさかチャクラが無ければと思う日がくるとはね」

食事をしながら笑いあう私達。

今までもこんな風景何度もあったのに今日程幸せに感じる事はない。

「あ、そうそう」

「?」

「誕生日おめでとう」

「…!」

優しい笑みの彼。

嬉しくて私も笑顔で返しながら

「ありがとうございます」

「すず音が生まれてきてくれて嬉しいよ。
欲を言えばもうちょっと早く生まれてきてほしかったかな?」

「10代の私では満足出来ませんか?」

「冗談でしょ。十分すぎるくらい満足してるよ」

「もう…困った人」

「すず音の困った顔が見たかっただーけ」

「私の困った顔が好きなんですか?」

「笑顔が一番好き」

「私はカカシさんの優しい笑みが大好きです」

「すず音〜っ!」

「わっちょ、食事ちゅ…!」

席を立って私の真横に来ると思いきり抱きしめてキスをするカカシさん。

その後顔中や首等あちこちに唇を落とす。

「だ、ダメですカカシさん…!
それ以上は顔が火照っちゃいますー!」

「あー!押し倒したい!」

「欲望丸出しですねっ」

もちろんカカシさんはそれ以上の事をしてくる事はなかった。

しばらくじゃれ合い互いにキスを交わし、手を重ねて遊ぶように何度も指を絡める。

「愛してるよ」

「私も愛してます」

誓い合うようにもう一度、今度はゆっくりと丁寧にキスをする。

貴方への永遠の愛。

そして、同じ空の色なのにまったく違う世界のこの空の下。

私は貴方と共に永遠に生きる事を誓った…


・END
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ