最後の物語

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「カカシ」

「ん?どうしたパックン」

「匂いは確かにあるんだが途切れているな」

「え?」

「この辺りをウロウロして、ここでプツリと途切れている」

と、匂いの元を辿るように歩いて止まる。

止まった場所は水面から僅かに飛び出している岩の表面を幾つか飛び越した所。

カカシは顔を歪め

「えーっと…つまり状況を推測するに
男は岩を飛び越えて川を渡っていたらその辺で落ちた。と」

「そういやあのおっちゃん…ちょっとおっちょこちょいだったな…」

と、流石のナルトも苦笑する。

カカシはため息をつき頭を掻きながら

「こりゃ…ちょっと手こずりそうだな」

「どうすんだ?カカシ先生」

「安心しろ。その為のネジだ」

ネジはカカシと目が合うとコクリと頷き一度目を閉じると

「白眼!」

カッ!と目を開き周囲を見る。

ネジは自分が見渡せる限界の範囲までその視界を伸ばすと、人の気配がないかをじっくりと探る。

敵らしい人影もないことから隅々まで探る事は出来たが
敵どころか人っ子一人存在しない森の様子にネジは少し落胆する。

どうやらカカシの言う通り少し手こずりそうだ。

「……この周辺にはいないようだな」

「えーーーー!?
あのおっちゃん目ぇ見えてないのにどんだけ足が速いってばよ!?」

「さすが噂の放浪癖持ちだな。逃げ足が速い」

「ま、向こうは別に逃げてるわけじゃないだろうけど」とカカシは付け加える。

「こうなったら仕方ない。
しばらく見境なく、せめて手掛かりになるようなものを見付けるまで探すしかないな。
幸い少しだけ匂いは残ってるんだ。
残りの忍犬達も呼んで手伝ってもらおう。
俺とナルト、そしてパックン。
ネジにも一匹忍犬を付ける。
少しでも手掛かりになりそうなものがあったら知らせてくれ」

「分かりました」

ネジの返事を聞きカカシは残りの忍犬達を口寄せする。

そしてネジに一匹付けて手探りの捜索は始まった。



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