最後の物語

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「俺と結婚したらお金の心配なんてさせないんだけどなぁ…
早く結婚したいけど今は…」

「良いんです。私、焦ったりしてませんから。
カカシさんがゆっくり出来る時にしましょう」

ほんの少ししょげたような彼を慰めるように私は髪を撫でてあげる。

「子供をつくったはいいけど構えないなんて俺もイヤなのよネ」

「そういえば子供と言えば」

と、夕方頃に見た可愛らしいピンクの忍の姿をした女の子の話をする。

話の内容を聞いてカカシさんも微笑ましそうに笑うと

「可愛いね。そりゃ将来有望だ」

「本当に。いのちゃんとも話してました」

「俺とすず音の子はどんな子だろうね」

「なるべくカカシさんから色々と受け継いでほしいな…
私から受け継いでしまったら苦労しそうですもの」

「えー。俺はすず音似のかわいー女の子が見たい」

「女の子も可愛いですよね」

「嫁に出さないけどいいの?」

「親バカさん」

ツン、左手で頬をつつく。

その手を掴み指輪のある指にキスをし私の唇にもキスをする。

抱きしめ直して深く深くため息をつくと彼はポツリと

「幸せ…」

「私も…」

いつもの様に激しく肌を重ねるでもなく
唇を重ねるでもなく
ただただ、お互いに寄り添うように抱きしめ合う。

それだけなのに溢れんばかりの幸福感に満たされる心。

真夏なのに春のような心地よい暖かさを感じる。

互いに飽きる事なく抱きしめ合い
その後カカシさんにベッドに連れられてキスを交わしながら手を握り合い、一緒に眠りについた。


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