最後の物語

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「そうとなればさっそく出発準備だ。
今日はもう夕方だから出発は明日の早朝。
おそらく2、3日は帰ってこられないだろう。
トウホウ殿の滞在期間はこちらで延ばす手続きをしておく」

「助かります」

「そういやおっちゃん、お付きの人は一緒に連れて行かなくていいのか?」

と、部屋の後ろで綱手とトウホウのやり取りを見ていたナルトが問う。

「ええ。付き人には別の用を申し付けているので別行動しているんです。
この木ノ葉で落ち合う予定だったので何処かにはいるでしょうから大丈夫ですよ」

「そっか」

「明日は早いぞ。今日はもう帰って各自しっかり体を休めるように。
では、解散!」

綱手の合図で退室するナルト達。

そんなナルト達の後ろから付いて行くようにトウホウも続き

「っあいた!」

バタン!と何もない所で躓き転ぶ。

「…………カカシ先生ぇ…
オレ、トウホウのおっちゃんを宿まで送るってばよ」

「……頼む」

なんとも言いがたい表情をするナルトとカカシ。

ナルトは自力で立ち上がったトウホウに宿まで送る事を伝え、言葉に甘えたトウホウと共に部屋を出て行った。






















夜。

食事もお風呂も済ませソファーで二人で座って寛いでいた私とカカシさん。

他愛もない世間話からやがてカカシさんの任務の話へとかわっていき明日の任務の話へと流れた。

「と、いうわけで二日か三日程帰らないから」

「分かりました。
では、その間カカシさんの家のお掃除もしておきますね」

「悪いね。最近帰ってないのに」

「せっかく合鍵を貰ってるんですし
それに、カカシさんの家には私の部屋もありますから」

「家具は全部そのままだからね…」

「懐かしい私の制服もクローゼットにかかってますよね」

「この世界に来た時に着てた服だっけ?懐かしいネ」

「あの頃はまだ学生でしたね…」

「そう言えば勉強は進んだ?」

「……………」

「無言で目を逸らさないの。
何処が分からなかったの?俺が教えてあげるからノート持っておいで」

困ったように笑って私の頭を撫でるカカシさん。

ノートに書いたトンチンカンな内容を見られたくなくてしばらくの間躊躇したが

「計算だけでなく歴史も苦手なもので…」

観念してバックの中からノートを取り出してカカシさんに差し出す。



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