最後の物語

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ノートを受け取ったカカシさんはページを捲りながら

「ま…誰しも得意不得意はあるさ。しかもすず音は独学だしネ。
俺は5歳でアカデミーを卒業して12歳で上忍になったから勉強は得意な方だと思ってるけど
でも、どんなに頭が良く忍者としての実力はあってもすず音のようにピアノを弾いて美しい音色を出す事は出来ない。
…人ってそういうもんでしょ」

「…カカシさんがピアノって、ちょっと想像つかないです」

「俺も」

ふたりでクスクスと笑いあい、しばらくの間カカシさんを先生に勉強をする。

「イルカさんならアカデミーの講師の方ですし、聞けば教えてくれますかね?」

「え?俺でいいでしょ?」

「だってカカシさん…任務で留守にしがちですし…それにサイくんも忙しそうですし」

「えーーーー。そうだけどやだーーーーー
他の男の所にすず音ちゃんが行くなんてやだーーーーーーー」

「もう…ヤキモチ焼きなんですから」

「婚約者なんだから当然」

「そう言えばカカシさん達が任務で探してた人ってあの男性だったんですね。
私の事が噂になっていたなんて知りませんでした」

「…実は、あまり良い傾向じゃないのヨ。それ。
すず音の出身については随分前に箝口令が出されてるから里の中でもごく一部しか知られてない。
俺もすず音の事を知ってる者はその知った経緯を含めて全て把握している。
だから、それ以外の人間が知ってると言うことは何処かからその情報が漏れてるってことだ」

「ああああああごめんなさい!私この間の誕生日の時にサイくんに話しちゃいましたあああああ!」

「ええええええええ…
気を付けてよね。もおー…
ま、まだ話したのがサイで良かったけど。
この様子じゃサクラとナルトもサイに話してるな。すず音はともかくふたりは叱っとくか」

「え!?でっでも!サクラちゃんとナルトくんは思い出話に付き合ってくれただけで…!」

「すず音本人なら本人の意思で話す事は許されるし、そもそも箝口令が出されたのは忍の中だけ。
だから、忍でありながら箝口令を破ったサクラとナルトは怒られて当然なのよ」

「ううう…私のせいで…」

「ちょこっと注意するだけだから。
そんな落ち込まないでヨ…」

「俺が悪いみたいでしょ」と頭を撫でてくれるカカシさん。



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